歴戦の勇者達
第二十六回の『夏男(とその仲間達)の広場』です。
今回の司会を担当します夏男です!!(^^)戻ってきました!
★お題を始める前に!
押尾さん矢田さんコングラッチュレーショーーン!! おめでとうございまーーす!!
陣内さん藤原さんコングラッチュレーショーーン!! おめでとうございまーーす!!
(>▽<)/ 四人ともテレビで知ってるだけだけど、ブログやってるから言っちゃう! おめでとーーう!!超ハッピーーウェディーーング!!!
★歴戦の勇者達2
夏男作品 『歴戦の勇者達』 パチパチパチパチ・・・・・・
気がつくと、私はそこにいた。私は誰だろう、となんて、考える時間もなかった。
一日の終わりがあるのか、無いのか、それさえ、私は知らなかった。気にもしなかった。ただ目の前に来る、私と同じような姿をした人達を好きになったり、嫌いになったりと、それだけ。それが私の始まりだった。
気がつくと、好きな人がいた。
『なあなあ、この前も急に大地震があったよな?』
「あったね。いきなりで、すごい驚いちゃった」
『お前どうしたかな、てすごい気になってたんだ。無事でよかった』
「怖かったけどね。大丈夫だった。ありがと」
優しく、強いその人を、私は好きになっていた。他人のような気がしない。まるで自分のように、私を気づかってくれ、守ってくれる。気がつくと、私はその人を好きになっていたのだ。
その日、私は始めて、心におかしな感情をおぼえた。
『今度、でかいマラソン大会があるんだとさ』
「うん、聞いた。みんな出るんだよね?」
『うん。そうらしいな。お前・・・・・・、俺と走らないか?』
「うん、いいけど。なんで?」
『みんな、必死で走るつもりらしい・・・。一人じゃ危ないかもしれないしさ』
「うん。じゃあ、一緒に走ろうね」
『ああ。俺が、守ってやるから』
マラソン大会は、すぐにやってきた。どうしてか、誰もがもうじきスタートの知らせがあると知っていた。もちろん、私もその人と、すでにスタートラインに立っていた。
『絶対にはなれるな!』
「うん・・・」
胸が破裂しそうだった。そして、やっぱり、私はきんちょうして、うまく走る事ができなかった。驚いた事に、そんな私を、ほかの参加者達はふみつけて行こうとするのだった。
だけど、私に傷が増える事はなかった。危険がせまるたびに、その人が、命がけで私を守ってくれていたからだ。
傷つき、誰もが倒れていく・・・。どうして、こんなマラソン大会を開いたのだろう。どうして、私は参加したくなったのだろう。ゴールする前に、私の愛する人が、死んでしまう・・・。
ゴールが近づいた時、急に、私は動けなくなった。そして、不思議と、なっとくができていた。「ああ、そうか。こうやって、みんな急にここで苦しくなって・・・、死んでいったんだ。このマラソン大会は、自分の命を使って、走っていたんだ・・・。ゴールしたかったな・・・」。
私は、全てを理解し、目を閉じようとした。だけど、その人の声が、私に倒れるなと言っていた・・・・・・。目を開けると、傷だらけのその人が、私にほほえんでいた。
『目をつぶるな・・・、お前は、ゴールさせてやる・・・』
「もういい。無理だよ・・・、君も、もう傷だらけじゃない・・・死んじゃうよ」
『もう決めた。お前のために、生きるんだって』
「なに言ってるの・・・、一緒に生きたいよ!」
『お前だけは・・・絶対に! ぬおおお・・、ゴールさせてやる!!』
力尽きた私は、私をおぶりながら、ゴールまでを走るその人の姿を、声にもできずに見つめたまま・・・。あの時におぼえた、おかしな感情にとまどっているだけだった。
私が最後に見た、その人の顔は、とてもきれいな、笑顔だった。
『生きて・・・、幸せになれよ・・・』
倒れたその人に、声にならない声を、何度も何度も叫びながら、私は気がつくと、光の中で目を覚ましていました。
「おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!」
温かな腕に抱かれた私は、胸中に広がる、とてもいとしく、痛い感情を、大声で表現しました。今まではどうする事もできなかったその感情は、こうする事で、表現できるのだと、私はその時に、知る事ができました。
「おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!」
私の命は、私だけの物じゃない。私はこの世に生まれ、激しく泣きじゃくる事で、その人に誓いました。
「あなたのために、最後まで生きぬいて・・・、必ず、幸せになります・・・」
と。
★解説
この『歴戦の勇者達』をね、どういうステージで書くか。それを考えていたんです。どうだった? 伝わったかな?
この『私』という女の子も、『その人』と語られていた男の子も、実はね、『精子』なんです。ようは赤ちゃんとして生まれる前の、俺達です。
実はこんな物語があって、俺達は生まれてきたんだ。と言いたかったんです。『精子』はね、本当にこんなマラソンみたいな事をやって、誰がゴールするかを決めるんです。ウパにも確認したから本当に事実です。
ゴールできなかった『精子』は、全員死んじゃう。ゴールした『精子』だけが、この世に誕生する赤ちゃんになるんです。ゴールできなかった『精子』達はね、みんな死んじゃうんだ。
生まれたという事はね、とても名誉な事なんだ。みんな、体育の授業がいくら悪くたって、関係ない。みんな、一番になって、この世に生まれてきた人達なんだよ。マラソンの参加者達は、全員が一生懸命に命をかけて走って、そして、優勝した赤ちゃんになる人に、夢や愛や希望をたくして、死んでいったんだ。本当の事なんだよ。だって、その死んでいった参加者達は、君の一部なんだからね。
とても大事な命なんだ。とても大切な命。
俺は大事にするよ。君にも、大事にしてほしい。いつも思ってる。俺は君の味方だよって。つらくて痛い経験だってした事あるから、君の痛みをわかってあげられるって。本当にいつも思ってる。
大事な命なんだ。親からもらっただけの命じゃない。その命は、君が君のために勝ち取った命なんだ。生まれる前だから、もう忘れてるかもしれないけど、もしかしたら、君は「幸せになります」と、大切な人と約束したかもしれない。
死んで生まれ変わる、て、みんな好きに言うけど。そんなに簡単だとは思わない。次に生まれる事はもうできないかもしれない。それに、あのマラソン大会で死んでいった仲間達に、なんて言うの。死んでしまったあとで、命がけで君にゴールをくれた戦友達に、なんて言うのさ。
生きてみよう。死ぬ事なんてない。もう一度、生きてみよう。君は勇者なんだ。君の生きた歴史には残っていないけど、その歴史が始まる前に、あのマラソン大会で命をかけて戦った勇者なんだ。マラソン大会で死んでいった君の仲間達も勇者なんだよ。
勇者達の命を、一身に受けた真の勇者。命をかけたマラソン大会の事は、さすがに俺もおぼえてないけど、参加して、優勝したからここにいるという事だけは、事実なんだ。なら、俺はつらくたって、命を捨てたりしないよ。
精一杯、最後まで生きると、きっと自分の一部達に約束してきたから。
★いじめって、殺されるよりつらい、と言う人がいる。本当だと思ってる。だけど死なないで。いじめられてる人がいたら、教えてあげて。味方なら世界中にいるって。とても強い味方が、君の味方になってくれるって。嫌な時間は必ず終わるんだって。
俺はいつでも味方でいる。先生達、よろしくね。よく見てあげてください。そんな先生達の味方だっていっぱいだからね! 俺も味方です。そばにいる子の事、どうぞよろしくお願いします。
今回の『夏広』司会者は、夏男でした。

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